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技術解説2026-07-07HOLOWITS

アクセスコントロール用人物検知カメラの導入ポイント

検知精度を最大化するための設置環境・条件の事前確認事項

アクセスコントロール用人物検知カメラの導入ポイント

スマートカメラによる人物の自動撮影・識別は、オフィスビルや施設の入退室管理において導入が進んでいます。しかし、カメラを設置するだけで精度の高い検知が実現できるわけではありません。設置環境や条件によって検知精度は大きく変わります。本記事では、導入前に確認しておきたい主なポイントを紹介します。

カメラの検知精度を決める

検知精度は、カメラが人物をどのように捉えているかに直結します。画像内で人物が小さすぎたり、横を向いていたり、影になっていたりすると、どれだけ高性能なシステムであっても正確な認識はできません。機器の性能を最大限に引き出すためには、設置環境の整備と適切な取り付け条件の確認が不可欠です。

導入にあたっては、以下の4点を事前に確認することが重要です。

1. 人物が十分な大きさで映っているか

人物検知において、画像内のターゲットが一定以上の解像度で映っていることは基本条件です。解像度が不足すると、システムが人物の特徴を正確に捉えられず、認識精度が大幅に低下します。

カメラが人物を検知するための最低解像度は26×26ピクセルですが、これはあくまで検知の下限値です。安定した認識精度を確保するには、短焦点カメラ(焦点距離12 mm以下)では80×80ピクセル以上、中・長焦点カメラ(12 mm超)では120×120ピクセル以上を推奨します。

この解像度を確保するためには、カメラの設置距離・高さ・焦点距離が重要な要素となります。設置距離が遠すぎると人物が小さく映り、要件を下回る場合があります。電動ズームカメラであれば焦点距離の調整で対応できますが、単焦点カメラの場合は設置位置そのものを見直す必要があります。導入前に実際の設置環境でテスト撮影を行い、解像度を確認することを推奨します。

検知カメラの解像度確認

2. 人物がカメラに正面を向いているか

人物検知は、カメラに対してある程度正面を向いた状態で初めて精度よく機能します。横顔や後ろ姿では顔の特徴を捉えることができず、認識精度が大きく落ちます。

許容される角度の範囲は、左右方向(ヨー角)が±30°以内、上下方向(ピッチ角)が±15°以内です。この範囲を超えると、システムがターゲットとして正常に認識できなくなります。

この条件を自然に満たすためには、カメラを通路の正面に設置し、歩行者がカメラに向かって歩く動線を確保することが理想的です。カメラが通路の脇や斜め方向に設置されている場合、通行者の多くがこの角度範囲を外れてしまう可能性があります。設置場所の選定段階で、人の流れとカメラの向きを合わせることを意識してください。

検知カメラの設置角度

3. 照明環境は適切か

照明条件は、人物検知の精度に直接影響する重要な環境要因です。暗すぎると画像にノイズが生じて特徴を捉えられず、逆に明るすぎても白飛びや反射によって画像が乱れます。

推奨される照度は70〜900ルクスの範囲です。この範囲を下回る暗い環境では補助照明の設置が必要となります。また、照度の数値だけでなく光の方向にも注意が必要です。カメラのレンズに対して直接強い光が当たる逆光環境や、床や壁からの強い反射光がある場所では、照度が十分であっても検知精度が低下します。

夜間の運用が想定される場合は、赤外線照明の活用も有効な選択肢です。導入前に昼夜それぞれの照明環境を確認し、必要に応じて照明設備の整備も合わせて計画することを推奨します。

4. 人物が遮蔽されていないか

実際の運用環境では、マスクや帽子・サングラスを着用した人物が通過したり、混雑時に複数の人物が重なったりする場面が頻繁に発生します。このような遮蔽が生じると、撮影の漏れや重複が起きやすくなります。

目安として、遮蔽範囲がターゲット全体の20%を超えると検知精度への影響が顕著になります。マスクや帽子などの着用による遮蔽はカメラの調整では対応が難しい部分もありますが、人物同士の重なりによる遮蔽については、設置高さや俯角の工夫によってある程度軽減できます。推奨設置高さは2.5〜3 mで、高い位置から俯瞰することで人物の重なりを減らし、頭部をより明確に捉えることができます。

検知カメラの設置高さ

設置環境の事前確認が導入成功のカギ

上記の4つの要因はいずれも、設置後に改善しようとすると大きなコストや手間が発生します。カメラの取り付け位置の変更、照明設備の追加、機種の入れ替えなど、後からの対応は現実的に難しい場合がほとんどです。

そのため、導入前の現場調査が非常に重要です。通路の幅・天井高・照明の位置・人の流れなどを事前に把握し、適切な機種と設置条件を選定することで、安定した検知精度を長期間にわたって維持することができます。

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